基本概念
人間の体内器官は、常に自律神経のコントロール下にある。自律神経は人間の進化の過程でもっとも古い神経系であり、随意的にコントロールすることができない。自律神経は、様々の内的および外的要因によって影響を受ける全ての器官と体系をコントロールし、それらの最適パフォーマンスを維持しようと努める。このコントロールは、自律神経の2 つの部門である交感神経と副交感神経によって行われる。
一般的に交感神経は、外的もしくは内的環境の変化により生体に与える苦痛や危害の原因となる全てのストレス因子に対し、体内器官を総動員して「戦うべきか、逃げるべきか」のどちらかの反応で対応する。ストレス因子による危険が緩和されると、副交感神経のコントロールにより体内器官を通常の状態に戻す。このように、交感神経と副交感神経が拮抗して働くことにより、我々の体内器官は長期にわたって効果的に機能することができる。
長期にわたる慢性的なストレスは、しばしば自律神経機能が正常に機能しなくなる原因となり、様々な疾病を引き起こす前兆となり得る。慢性的ストレスの下では、主として副交感神経機能が損傷し、その為、体機能の調節が十分に行われなくなる。このことから、そのような状態を正常に戻す為、副交感神経の働きを効果的に取り戻すことができるツールの必要性が強く望まれる。
人間の筋肉が、規則正しい肉体訓練でより効果的に機能することは周知である。それは、自律神経機能においても同様である。幸いにも、副交感神経機能を効果的に改善できる副交感神経訓練とでも呼べる特別の訓練処方がある。それは自律神経機能における圧受容体反射のメカニズムを利用する方法である。圧受容体反射の基本的機能は、大動脈内圧のレベルを感知して心拍数の調節を行うことである。その調節は、脳、心臓、肺などの全ての器官に十分な血液を供給することを目的としている。
心臓大動脈の壁には圧受容体と呼ばれる特別の知覚細胞があり、大動脈内の血圧を知覚し、特定の神経系を通じて脳に信号を送る。これらの圧受容体、神経細胞、特定の脳の構造は全て副交感神経の一部である。その任務は血圧レベルをチェックし、信号を心臓に送り返し、心拍数を調節する。大動脈圧が下がると心拍数は上がり、大動脈圧が上がると心拍数は下がる。この心拍数のバランス調節メカニズムにより、十分な血液供給が確保される。
その為、副交感神経機能を訓練するには、副交感刺激を増加させる為に圧受容体反射機序に積極的なインパクトを与える必要がある。深くゆっくりとした呼吸で心を落ち着かせる方法は、副交感神経に効果的な運動を与える刺激になると考えられる。圧受容体反射の機序は、1 分間に6 回の深く規則正しい呼吸(0.1Hz で同調周波数と呼ばれる)による周期的刺激で際立って反応する
ことが知られている。この方法は、そのような深呼吸が視覚と聴覚を利用するペーサー(もしくはメトロノーム)によってコントロールされる時、特に効果的である以下は、圧受容体反射の機序についての説明である。
このダイアグラムは、同調周波数で深呼吸が行われる時、心拍数は呼吸に伴って同調振幅がもっとも顕著にみられることを示している。深い吸気の終わりに心拍数は最大になり、呼気の終わりに最小になる。この生理学的現象は、呼吸性洞性不整脈(RSA)として知られており、ハートトラッカーによる呼吸訓練技術の基礎となっている。
訓練ツールは、視覚と聴覚の両方を利用した呼吸ペーサーを備え、同時に実際の心拍数が読み取れるようになっている。呼吸ペーサーに従って呼吸をし、同時に実際の呼吸がペーサーの動きに同調しているかどうかを観察できることは、バイオフィードバックループを確立し、訓練を成功させる上で極めて重要である。
注)ハートトラッカーで測定されたデータは全て診断目的で使われるべきでない。記録された情報は、個々人により大きく異なる。年齢、不整脈、慢性的症状など、これら全てが測定結果に大きな影響を与える。
注)この機器の使用は、人体の調節機能を改善することを目的としている。しかしながら、使用を始めて短時間で劇的な改善を求めるのは現実的ではない。毎日定期的に(10-12分)使用することにより、調節機能が徐々に改善され、結果として身体全体の健康が向上されると期待される。
ハートトラッカーの特徴
- 自律神経の乱れ(身体的、精神的症状)からの改善。
- 心身を調和させることでスポーツ時の身体能力を高める。
- 精神的感情的ストレスを正確に測定・評価することができます。
- 心拍グラフとパワースペクトルを図表で分かり易く表示します。
- 呼吸サイクルが調整できる呼吸ペースメーカーです。
- 自律神経バランス状態観察記録の為のRSA(呼吸性変動成分のモニター)
- ストレス軽減とRSA強化目標達成が図と表でわかる。
- 過去のセッションの全記録が進捗報告グラフでわかる。
- 過去30年以上の医療分野での研究論文を基礎にしている。
測定方法
- 測定用センサーをパソコンのUSBポートに接続しソフトウェアを立ち上げる。
- 名前、性別、生年月日を登録
- センサーを耳たぶ又は指先に取り付ける
- ペーシングバー上の上下動に合せ呼吸と呼気を行う。
- 5分間の呼吸トレーニング後、結果が表示される。
訓練スコアーグラフ
縦軸がスコアで自律神経バランスの改善効果の高さを表し、横軸は時間を表す。緑のエリアが目標区域となる。自律神経のバランスを整える、静かでバランスの良い呼吸ができると画面右のスコアがどんどん高くなっていきます。
結果画面
- Baseline Score(基礎スコア)
基礎データ収集完了時点での自律神経バランスのスコア - Achieved Score(達成スコア)
訓練セッション終了時の自律神経バランスのスコア - Delta Score(改善度)
上記2つのスコアの差、訓練による改善度合い - Stability(安定度)
セッション中の緑エリアを維持した時間の割合
使用をおすすめする専門家
- ストレスマネジメント・カウンセラー
- 家庭。職場における個人
- アスレチック・トレーナー
- バイオフィードバック・セラピスト
- メンタルヘルス専門家
- 心臓血行リハビリ専門家
- 呼吸セラピスト
システム要件
- CPUペンティアム4、1.6GHzもしくはそれ以上
- 1GBのRAM
- 最低1024×768で高画質リゾリューションのビデオカード
- ハード・ディスク・ドライブに最低1GBの空き容量
- CD ROMドライブ
- USBポート1つ 、バージョン1.1以上
- Windows 2000/XP/Vista /Windows7オペレーティングシステム
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