宇宙医学、テレメディカルエコロジー、テレメディスン:協力と開発の展望

宇宙医学、テレメディカルエコロジー、テレメディスン:協力と開発の展望

O.I. Orlov, R.M. Baevsky, A.G. Chernikova

State scientific center – Institute for biomedical problems, Russian Academy of science, Moscow, Russia

V.I. Pougatchev,

Biocom Technologies, Poulsbo, USA

mars500

最初の宇宙飛行の目的

宇宙飛行中の人間の耐容能の研究、宇宙飛行士の機能的活動指標(脈波、呼吸、心電図、心筋図、その他の生理学的指標)のモニタリング。

最初の宇宙飛行士の問題

健康状態の評価、前庭(前房、前室)の安定性テスト、宇宙飛行中の人間の生理学的パフォーマンス。

これまでの宇宙空間での医学的、生理学的調査の経験から、今後の主要課題が、地上医学も含めて疾病予防、個人別健康評価、テレケア(遠隔医療)である事は明らかである。

 

宇宙医学とテレメディスンのクロスポイント

遠隔健康評価

宇宙医学テレメディスン
  • 健康リスクの予測
  • 宇宙飛行士の個人別健康評価に関する経験蓄積
  • テレケア
  • 予防的適応,健康障害の早期発見
  • 個人別健康評価

健康悪化ポイントの発見が目的

宇宙医学テレメディスン

健常人

宇宙環境と極限的状態における影響

患者

自然環境と通常状態における影響

宇宙医学は、宇宙飛行士に対して特別の負荷を与えない安静状態での機能状態を測定する為、通常の範囲を超えた状態に対する適応能力としての健康評価ができない。

テレメディスンは、疾病の早期発見を目的にしている。

テレメディスンにおいてプリノソロジカルアプローチを使った疾病への段階的評価

 mars500_noso

 

人工衛星によるデータ送信を使った調査

心拍変動データを使ってプリノソロジカル状態を判断する診断方法が、宇宙における宇宙飛行士の健康評価に適用できる。

地上医学および宇宙医学の目的は、疾病症状が認められるか否かに関わらず、健常が境界を超えて疾病に悪化する前に予測、予防する事である。

適応リスク

適応リスクとは、疾病症状から判断する(疾病状態であると判断するに十分かどうか)臨床的リスクと異なり、疾病状態に至る前にそれを回避する適応能力(健康リザーブ)があるかどうかで判断する。

 

国際衛星プロジェクトMARS-500から得られた重要なテスト結果

Mars-500サテライトグループ(被験者)のリスクカテゴリー別分布

Mars-500サテライトグループ(被験者)のリスクカテゴリー別分布

Mars-500サテライトグループ(被験者)のリスクカテゴリー別分布

サテライトグループ別の環境ストレス(Mars-500プロジェクト)

mars500_satellite_group

プリノソロジカルステージは、健常人において環境変化および負荷増加に伴って悪化する傾向にある。


有人火星探査プロジェクト乗組員の負荷増加に対する反応

有人火星探査プロジェクト乗組員の負荷増加に対する反応

有人火星探査プロジェクト乗組員の 負荷増加に対する反応

Mars-500のサテライトプロジェクトにおいて、「環境が健康に与える長期的影響の医学的調査」で幾つかの異なる健康評価法がテストされた。

ロシア、チェコ共和国、ドイツ、べラルースにおいては月1回の調査、米国とカナダではプロジェクト参加者の家庭で週1回のテストを行った。

テスト結果は、週1回の個人別プリノソロジカル評価で全ての健康障害の発現に先行して起こる自律神経障害を発見できる事が証明された。 上記の結果をライフスタイルと環境についての質問に対するそれぞれの被験者の答えと比較評価すると、労働負荷調整、栄養、その他健康維持に必要な生活環境、ライフスタイルの変化が、生体により大きな影響を与えている事が証明された。

リスク要因に関係する個人的プロフィール

リスク要因に関係する個人的プロフィール

リスク要因に関係する個人的プロフィール

 

これらの発見から、予防医学‐テレメディスンにおいて個人的プリノソロジカル管理を可能にするシステムの開発が始まった。

ロシアの生医学問題研究所と米国のBiocom Technologiesの協力で、カナダと米国で実施したMars-500サテライトプロジェクト用に「Mars-500用ハートウイザード」が作成された。これは 、「環境が健康に与える長期的影響の医学的調査」 の為の新しいシステムのプロトタイプとなる。

宇宙医学、テレメディスン、テレメディカル・エコロジーの専門家による協力が、科学的研究を行う上で大変有用である事は既に証明されている。 この共同研究の継続は、我々の研究の主目的である「人間の健康維持」に貢献する事になる。

 

 

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